[2002.12.17]
  呼ばれぬ本当の裁判長


 ▼インターネットは国境を越える――そして名誉毀損訴訟も(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0212/16/ne00_suit.html


 ネットワーク上の裁判長に裁かれるのなら意味はわかるが,どこの馬の骨ともわからない裁判長のような服を着た人など,誰が呼んだのだろうか?

 米国の報道機関がオーストラリアで名誉棄損で訴えられた。オーストラリアのサーバーに置いてあるものによる訴訟だが,オーストラリアの名誉棄損法は米国よりも厳しい。ドイツやイタリアでは,国外のサーバーにある同国の法律に反するものであっても法律の適用をするという判決が下されている。

 これはかなり笑える話である。たとえばだが,産経新聞の記者がいきなり北朝鮮に呼び出されてお前の書いた記事はうちの国では許されないものだから死刑,と云われてそれにはいと従え,ということだ。どこのサイトに掲載しているものでも,どこかの知らない国で違法となっているものならその国で罰則を受けよ,ということだ。アダルトっぽいコンテンツを多少でも持っているサイトなら,どっかの国から呼び出されてもおかしくはない。

 『舞台の上の裁判長は,なぜか観客席にいた私を突然呼び出した。なにが起きたのかわからずにいると,「あなたは先ほどロビーで煙草を吸っていましたね」と,裁判長は劇中のような口調で私に問うた。「ぇぇ」と私が答えると,「………ここでは煙草を持っているだけで違法なのですよ。そう,日本と云う国で麻薬を持っているのと同じですね」と裁判長は当然のような口調で云った。私はそのまま舞台裏の牢へと連れていかれて,そして…』。


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